更年期障害、不定愁訴、ホルモン失調時期における自律神経失調症状に漢方が有効であることを実例をあげて説明しています。

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様々な病気と漢方


更年期障害、血の道と漢方
 
 
前回の自律神経失調症・神経症との関連で今回は女性特有の生理と密接に関係している精神・神経障害をとりあげました。
「更年期」というのは、月経が閉止する頃(大体閉経の前後3年〜)のことを言い、この時期に女性に肉体的、精神的に様々な変化、症状が現れてくることを更年期障害と言います。

 更年期には卵巣機能が大きく変化し卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し始め、逆に性腺刺激ホルモンや副腎皮質ホルモンが増加するために、ホルモン系の調和が乱れてきます。このため間脳の自律神経中枢に影響を与えて、自律神経の失調をきたすことになります。

「血の道」は現代医学の病名ではなく、漢方や一般に言われているもので、生理(月経)に関する一切の病状を指し年齢的には必ずしも更年期だけではありません。
生理前後、あるいは最中に発生したり悪くなったり、妊娠、分娩後、流産後、妊娠中絶後、避妊手術後、更年期などに見られる精神や神経、ホルモン系の異常による症候を指します。

主な症状としては

◎顔がほてって熱くなったり、急にカーと熱くなって汗をかいて、しばらくすると今度は スーと汗がひいて寒くなったりする。(ホットフラッシュ。これを訴える人はかなり多い。)
◎動悸・めまい・肩こり・頭痛・不眠・耳鳴り・発汗・血圧の変動などの自律神経失調
◎不安・興奮・神経過敏・憂鬱・物忘れ・ねたみ・嫉妬などの精神的変調
◎肥満、皮膚のつやが悪くなる、しみなどのホルモン系の変調

などがありますが、もうありとあらゆると言ってよいほど様々な症状があります。
私はよく漢方の相談者から次のような言葉を聞きます。
『おばあちゃんも頭痛持ちだったし、母もそうだったし、女ってこういうものだと思ってました。』
別に頭痛にかかわらず女性のそういった症状を『女』だからあたりまえとあきらめていた。(思い込んでいた?)のです。確かに『女』だからおこる症状ですが、改善し普通とかわらない生活を送ることはそう難しいことではありません。
是非漢方と友達になって下さい。

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更年期障害治療の実例

 正直言って、更年期障害(不定愁訴)の治療実例はキリがないほど多いです
女性の40代〜50代のご相談でもっとも多いのがこの更年期障害と思われるものです。キリがないうち、最近の記憶にあるものを良かった例と芳しくなかった例とを書いてみます。

更年期障害のご相談のうち、うまくいかなかった例というのは一割を切ると思います。ほとんど問題なく改善していっています。

問題はどれくらいの期間漢方薬の服用が必要か?ということになってくると思います。
漢方薬あるいは、健康補助食品の併用で早い人では2週間以内にその効果を感じられる場合が多いです。少しでもいい兆候が見られましたら、まずそのままの処方を続けて見ます。特に気になる症状があれば処方を変更することも考えます。大体同じ処方で1ヶ月分〜2ヶ月変化がない場合は、その処方が合っていないと思われます。
それで、全体として私のところで最も早い人で、14日分処方して、それが3〜4回、大体1ヶ月半から、2ヶ月で全部治り、服薬を中止しても再発しなかった人がおられます。(この人はもっとも早い治療の人の例です。)


一般には、2週間で様子を見て、処方を同じで行くか、変更するかを考えながら、様子を見ていって、調子が良くなってきましたら、後は健康体になるまで続けます。人によって期間は異なりますが、3ヶ月〜長い人で数年服用しています。数年服用している人は、どちらかというと主な病的な症状は治っていますが、飲んでいると肩こりもないし、気分もよく元気でいられるということで、続けてお飲みになっているか方が多いように
思います。


ただし、中にはすごく難治性のものがあります。そういう方は、同じ処方で数ヶ月体質改善を図ります。

実例1

Aさん、52歳。更年期症状が出だして、3〜4年。月経はご相談日より1年前に終わっている。
症状はイライラ、精神不安、気分が滅入る(軽度のウツ傾向)。ちょっとしたことで怒りっぽくなり、最近は仕事先でトラブルを起こし、たびたび仕事を変わるような状態になり、困ってのご相談でした。
他の症状としては、口が苦い感じがする。動悸が時々。肩こり、首筋のこり、背中のこり、便秘などがある。

よく不定愁訴にある症状のホットフラッシュ(急にカッーと暑くなり、汗が出て、そして急にまた汗が引いてヒヤッとした冷感を感じる症状)、冷え、のぼせなどの症状はない。舌の色を見ると青紫色でお血のしるしが出ています。それまでに発酵ウコン茶を飲んでいました。
病院からは高血圧の内服薬2種類、更年期用の薬として、精神安定剤とスルピリド(抗ウツ作用をもつ)の併用を1年以上されていました。ホルモン補充療法はされていませんでした。

漢方処方は煎じ薬(本来の漢方薬の飲み方。ご自宅で、処方した薬草を水から炊いて成分を抽出する方法)が作るのが出来ない環境にあるということで、顆粒剤を3種類飲んでもらうことになりました。プラスして健康食品のカルシウム製品を併用していただきました。3処方でしたので、価格は少し高めになってしまいましたがお客様が納得されましたので、これで行きました。
最初2週間の変化は大きくないものの、なんだか少し良いようです。
次の2週間には、かなり全体的に良くなってきた。
あと、4回2週間づつ、おなじ内容の薬をお出ししました。実際にはほとんど2ヶ月くらいで良くなっていましたが、後半は調子をみてゆっくり飲んでいました。
一旦お薬を止めて、症状がまた出るような事があれば言ってください。ということで終わりました。もう1年経ちましたが再発はない模様です。

実例2

Bさん
この方は子供さんが、アトピー性皮膚炎で、治療しだしたのがお付き合いの始まりです。現在56歳ですが、48歳の頃より更年期障害らしきもので悩まされています。卵管を片一方くくっているいるとの事で、これが原因してだらだらと続いているのかもしれません。
症状は、不眠で、病院でハルシオンの弱い方を処方されていました。

この方は煎じ薬で処方を作らせていただきました。お子さんの煎じ薬で作るのは慣れていらっしゃいました。いつも2週間づつお持ち帰りになり、大体効果が現れます。最初の頃は約1年くらい続けておられました。調子が良くなって一時中止しました。その後何年かに数度更年期障害らしき症状がぶり返し、同じ処方で1〜2ヶ月で改善して、服薬を止められます。ちょっとだらだらと症状がぶり返すタイプのようです。10年のお付き合いですね。アルコールもお好きな女性でして、アルコール性肝炎の治療も一度しています。アルコール性肝炎はアルコールを抜いているだけでも、しばらくたてばよくなるものですが、漢方薬を使えばずっと早く改善します。この人には漢方薬と恵命我神散が合いました。胃腸の不調にも恵命我神散はこの方にはよく効き、お友達の方もご紹介していただきました。


実例3

こちらは少し変わっています。
もちろん更年期障害のご相談には変わりないのですが、2年間の慢性関節リウマチがあります。リウマチの現在の標準的な治療を受けておられます。かなり薬としては強いものを使用されていましたが、身体の関節が十分に動くようになるのには夕方にならないとダメというくらいに不自由な状態でした。

閉経はご相談時の約1年前。
更年期障害の症状は、よくあるホットフラッシュである。これがつらくてたまらない。
あと、便秘(病院で酸化マグネシウムが処方されていた)、肩こり、筋肉のこり。

煎じ薬で処方を組みました。便秘にも対応できるようにいたしました。最初の一週間で、便秘は酸化マグネシウムは1/3でいけるようになった。次の二週間で不整脈がお風呂上りに出るようになった。更年期前より、不整脈があったのだが、それほど気にならないくらいだったのが、気になるくらいに現れた。ところがホットフラッシュとなぜかリウマチの痛みがどんどん改善してくる。朝から身体を動かすことが出来ると、不整脈とは裏腹に嬉しそうでありました。どうもリウマチが良くなってくると、現代医薬品の副作用が出てくるのではないかと思われるのですが、はっきりしない。
結局、原因らしい処方を除き、残りの処方で約1ヶ月でホットフラッシュは無くなり、再発はしない状態で服用をお止めになりました。不整脈さえなければ、出来ればリウマチの方も改善できた可能性があり残念な気が残りました。

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