ここでは、小児の体質異常、虚弱体質の改善、夜尿症やチック症などの神経過敏体質にも漢方が有効なのを説明しています。

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様々な病気と漢方

このページは内容的に、同じような事を重ねているところがあります。小児の体質〜@Aはほぼ同じです。

小児の体質改善と漢方
(下記の季節感は、その記事を書いたときのものですので、無視してください。)

 もう少しすると、子供たちは夏休みに入る頃だと思います。健康な子供たちは勉強に遊びにと楽しみが一杯ですね。
でも楽しめない子供たちもいることは確かです。

おねしょ癖が治らなくて、学校の行事にも消極的になったりしている子供や、冷えるとおなかが痛くなるのでプールや海にいけない子供などのご相談を受けたことは多くあります。

今回はおおざっぱに子供さんの体質改善について書いてみます。

虚弱体質と呼ばれるものを大まかに分けると次のようなものになると思います。

1. 胃腸の弱い子供
冷えるとよくおなかが痛くなったり、下痢をする。冷えがなくても、おなかの筋肉がはっていて、よく腹痛を起こす。足がだるい(だる痛い)とよく言う

2. しょっちゅう風邪をひく、アトピー体質、アレルギー体質の子供
アトピー性皮膚炎、喘息、扁桃腺を腫らしやすい、中耳炎によくなる、リンパ腺が腫れやすい、アデノイドなど

3. 神経過敏すぎる子供
すぐかんしゃくを起こす、いらいらしている、頭痛もち、ヒステリー、夜鳴き、すぐ泣く

4. よく吐く子供
水分を欲しがるが飲むと、それ以上の量の水を吐く。乗り物酔いしやすい

5. 子供の成長がどう考えても、一般より遅い子供
歯が生えるのが遅い、骨の発育が遅いなど

最近では小さい子供ではありますが、自律神経症状のものが多くなってきているように個人的に思います。これら小児の虚弱体質に関しても漢方薬は効果的です。
その他、小児に多い「ネフローゼ」、神経的なものでは「チック」、怒り出すと「けいれん」を起こす症状や、ねぼけやすいといった病気というほどでもない症状なども漢方薬は良く用いられます。

実は小児の病気と漢方薬というかかわりでは、一番のネックになるのは『きちんと飲んでくれる』かということなのです。どうしてもにおいや味が受け入れられなくてダメだったということを、多く経験しています。まことに残念なことです。
お悩みの方はご相談ください。
2001年年7月分

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小児の体質と病気P1

小児の体質の特徴を漢方的にみると、

全体的には

◎水分代謝調節に関する臓腑(漢方で言う脾胃)の機能が未熟な為『湿』が停滞しやすいと考えられます。水を飲んでもすぐにスポッと吐くなど。

◎子供はもともと陽気が多く(昔から子供は風の子といい、寒い冬でも薄着で遊びまわる)元気な子多いが、陽気があり余って発揚的なため、風邪をひいてもすぐに高熱が出たりする。

◎精神的に未発達なため、神経過敏(カンの虫、泣き虫)、自律神経失調をきたしやすい。

そしてさらに体質的に大きく分けると『虚弱体質』と『過敏体質』になります。
北里研究所の花輪壽彦医師は次のようにポイントを述べております。

◎虚弱体質…顔色が悪くおとなしくジッとしている・骨格が華奢で肉付きが悪い・口唇が 乾燥しやすい・手足が冷たい・暑さ寒さに弱い・風邪をひきやすい・胃腸が弱い

◎過敏体質…くすぐったがる・落ち着きがなく不安な表情(キョロキョロと視点が定まら ない)・まつ毛が長く、まばたきが多い・手の平の汗が多い・『心・こころ』の痛みとして頭痛、 腹痛、眉間、関節の痛みを訴える。
特に、『心・こころ』の痛みとして、頭痛・腹痛などという症状を現すというところなどは『小児』にかかわらず、最近は大人にも多く見られる心身症として見逃してはならない点だと思います。

親子関係や学校・友人など、こどもを取り囲む環境にも十分注意しておく必要があります。子供の病気が家族、特に母親の影響を受けやすいと言われており、漢方薬の原典の服用指示の中にも『母子同服』(病気の子供だけでなく、母親にも一緒に服用させよという意味)というものもあります。
日常のテレビなどでの暴力・殺人などの残酷なシーンが子供の心に悪影響を及ぼしていないが考えてみる必要があります。
当然テレビゲームなどの内容もよく親御さんが吟味してほしいと思います。

今回は全体的な内容になりましたが、次回はそれぞれの体質と病気について書く予定です。

1998年8月分

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小児の体質と病気P2

虚弱体質では次のような子供がいます。

●おなかの弱い子供…たとえば下痢しやすい、冷えるとおなかが痛くなる、甘いものを好む、よだれが多い。

●同じおなかが弱い子供でも過敏症タイプでは…よくおなかが痛いと訴える(反復性臍疝痛)、緊張が強く、おなかをさわると腹筋が突っ張っており、さわるとくすぐったがる、便秘または下痢などどちらかというと便の状態が安定しない傾向。便秘だからといってヘタに便秘薬を使用するとおなかが渋るなどの不快感を訴える(小児には便秘薬はなるべく使わないほうが良いと思われます)

前者はおなかの冷えが原因の場合が多く、飲食などの生活指導とともに『人参湯』などの漢方処方がよく合います。
後者は腹筋の緊張を緩和し腸の働きを調整する『小建中湯』などがよく使用されます。体質改善を目的としてある程度の期間服用させたほうがよいと思います。

●『おなかが弱い』というわけではないが、よくなにかにつけて『吐く』子がいる、水をコップ一杯飲むとそれ以上にスポッという感じで吐いてしまう子がいる。これは大塚敬節先生など、日本の漢方家の先達の方も多く言っておられます。

これなどは『水分代謝』がアンバランスな為によく起こす症状で、小便の量、回数が少なかったり、そのわりに水分を欲しがったりする傾向がある体質といえます。
このような体質には『五苓散』がよく合うと言われています。
風邪のように『吐いて下痢して、頭痛、発熱』などがあって水を飲みたがる場合などにもよく効く。
お子さんをお持ちの方は、『五苓散』などは予備に買って置いていても無駄にならないと思います。

●よく『気持ち悪い』という子供

 たとえば、学校の朝礼などで倒れる子、立ちくらみをよくする、乗り物酔いをする、本当の近視ではなく『仮性近視』などと言われている。などの体質の子供には『苓桂朮甘湯』や『五苓散』など水分代謝を調節する漢方薬が有効な事が多いです。

●神経過敏な子供…かんしゃくもち、イライラして人にあたる子。
泣き虫で、夜泣き、ヒステリーをおこす
これらの症状の子供にもよい漢方薬があります。
ご相談下さい。
1998年9月分

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小児の体質と病気P3(夜尿症と漢方

夜尿症と漢方

 小児の相談で比較的多いものに夜尿症があります。だいたい小学校の5〜6年の泊まりのある学校行事までに夜尿がおさまっていない場合に、何とかしたいと相談に見られることが多いです。
一体何才位までに夜尿がおさまらなかったら『夜尿症』というのかは、判断の基準はないようです。

深刻な例としては、昭和半ばの時代、相見三郎先生の治療例で、29才の男性で幼少より毎夜寝小便をしてしまうという患者さんがおられ、当時の化学的な治療を手術も含めて治療を受けたが、全く効果がなく、相見先生の漢方薬投与後すぐに効果現れ、わずか20日ほどで治療できたと本には記してあります。辛い青年時代をすごしたとありました。

 当薬局でも、非常に早く治療効果がでたのが2例程あります。年齢は忘れましたが、小学5年生位の男の子だったと思いますが、一週間分漢方薬を出しまして、服用した最初の日から夜尿が止まり、一週間分でも余ってしまった。その後も治っていると聞いています。なぜこのように、幼児の頃からの夜尿がそれこそ直ちに効果がでて治ってしまうのかは、私にも説明がつきませんが、子供の病気のすべては多かれ少なかれ心身症(心の病が身体に現れる)的な傾向があるので、自律神経の調節したり、精神を安定させたりする働きをもつ漢方薬の場合には非常に早く効果が現われる傾向があるようです。

一般的に漢方では、『夜尿症』の場合、寒・熱の体質を考え、
●寒証…冷えが強くおしっこも多いタイプ。

●熱証…身体に熱感があり汗もよくかき、そして喉もよく渇きお茶やジュース等の水分も多くとるので、おしっこも多いタイプ。

などと分類し、また特に寒・熱に片寄らずに、神経質あるいはかんの高ぶる子供など性質も考慮して処方を選択していきます。

体質の改善には、上に述べたような特別短期間で治癒した例をのぞき、ある程度日にちがかかりますので、ぎりぎりになってから来られても間に合わない事もありますので、余裕をもってご相談ください。

漢方薬の場合、どうしても『においや味』がなじみにくいので、親(お母さん)が、お子さんにしっかりと説得して服用させる事が大切です。

1998年10月分

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