ここでは不眠症の漢方的原因の説明と、漢方が不眠の体質改善に有効な事を実例をあげて説明しています。
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漢方薬で不眠症に対応すると言っても、いわゆる現代医薬品で言うところの「睡眠薬」と言われるものはありません。 ですから、今すぐ眠りたいので何か漢方薬を少し分けてくださいというのは、ほとんど無理だと思います。全身の状態や不眠症以外の症状をお聞きして、すなわち体質から漢方薬を選定していくことになります。 精神的、肉体的な不調和を整えることにより、睡眠を整えると考えてください。 大きなポイントを分けて見ますと、 1. 自律神経の調節 2. 胃腸障害、特別に胃腸が悪くなくても弱い人は胃腸の調節 3. お血(血行不良)がからんでいる場合は、その部分も調節する必要があるというような事を考えます。 さらに細かくタイプ別にしてみますと、 A) 高血圧でのぼせ、イライラ感があって不眠がある人 B) なんとなく胃腸の調子が悪い、おなかの存在が気になる人の不眠 C) 神経過敏で不眠(イライラして眠れない、疲れているのになぜか寝られない、動悸がする、物音で目が醒めるなど) D) 冷え性や、逆に手足のほてりが気になる人 などになるでしょうか。 @とAやCがからんでいる場合が多いですね。 今の時代、ストレス社会ですからね。また、身体の弱いタイプの人では、AとBやAとC、AとDなどが多いように思います。血行不良はどのタイプにも見られますので、のぼせや冷えのぼせのある人は、その調整もしておかないとよく眠れないと思います。 薬だけでなく、普段の生活や仕事にも気を使わないと、根本的な改善にはなりにくいようです。 体質改善(生活改善も含め)するつもりで、時間をかけて取り組むことが大切でしょう。少なくとも夕食後から眠る前までの間は、コーヒーやお茶などのカフェインを多く含む物の摂取は控えましょう。案外カルシウムの補給が良い事があります。 ご相談はお気軽にどうぞ。 2004年年6月分 目次に戻る 漢方相談カードへ |
不眠症と漢方実例 (寄稿していただいた文章) |
以下の文章は、最近非常によい結果が出た人がいらっしゃいましたので、お願いして感想文を書いていただきました。言葉は漢字の訂正以外しておりません。 患者さんは20代後半の美しい女性 |
![]() ◎漢方薬との出会いは、母が以前からやっていて私に勧めてくれた。というのも、2〜3年前から寝つきが悪く11時くらいにふとんに入り、1〜2時頃寝て、トイレで1度目が覚めるので、睡眠が浅く、朝起きるのが、とてもつらい。昼間は究極にねむく、集中力にかける。 そして朝はお通じも、まず朝にいく事はなく、昼食後コーヒーを飲んだ頃に行く。たまにいかない日もあり、少し便秘気味だった。そういう日々を漠然と過ごし困っていた。 健勝堂さんで症状を話し、舌を見て、水分過多、冷たい物の食べすぎ、ストレスをいうことで、女性ホルモン系(注釈:決してホルモン剤ののことではありません。婦人科系の漢方の意味)と一緒に処方をしてもらい、日本人に一番不足しているカルシウムも服用した。 漢方薬というと、まずくて、苦いと思っていたが、粉になっていて意外に飲みやすい。 1ヶ月は相変わらずで、2ヶ月を過ぎてから、寝る前に音楽をかけ、肌着をもう一枚着用してから、トイレで目が覚めるという事はなくなった。自分ではそんなに自覚していなかったが、冷えていたのかと思う。寝つきがよくなると、よいリズムができ、胃の不快感がなくなり、お通じも毎朝来るようになった。やはり睡眠こそが一番お健康法だと思う。 漢方薬は時間がかかると思っていたが、こんなに早く効くとは思わなかった。私にはピタッとあったのだろう。値段は2週間で7000円は痛いが、今では一日も漢方薬はかかせない。 平成16年4月17日 ![]() |
とまあ、彼女から文章を寄稿していただきました。 解説しますと、お母さんとは長い漢方のお付き合いがあり、お母さんからの紹介です。 最初の相談内容は、不眠症と胃の不快感。 色々と症状とお話、望診(顔色など見える範囲で判断すること)などで、一番の原因は胃腸の冷えと、精神的ストレスによるものと思われました。穏やかそうに見える女性ですが、翌日の仕事のことでいらない心配をしているのが感じられます。 こういう「思い悩む」というのは胃腸の異常によるものが多いように思います。よく柴胡剤(自律神経系の調節に)を使いストレス除去を考える場面ですが、ここは私は違うことを考えました。 ほとんどなんとなくですが、皮膚にむくみぽいものを感じたためだと思います。 胃腸を温める処方を中心にして、その水っぽさと冷え性をまず改善しようと2種類の処方を選択しました。一つの処方は胃に対して「やや重い」性質がありますので、2週間ごとに半量からはじめ徐々に増量して、注意深くやっていきました。 あとは、上の彼女の手記にあるとおりですね。 別に不眠症用の漢方処方を使ったわけではありませんが、冷えとおなかの冷えを取り、気持ちよく食べられ、排便できるようになりますと、不眠状態は治ってしまいました。 もちろん、人間のことですから、時に気になることがあったり、ちょっと昼寝をしたら夜眠れなくなることもあります。 すこしリズムを崩したなと感じましたら、早く自分で修正しておきましょう。 リズム障害的な不眠症も多いように思いますが、これは漢方薬も使いますが、日常の生活の十分な睡眠をとるのを邪魔している癖に気づき、早く修正することが大切だと思います。 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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