ここでは夏ばてと飲食の不摂生で生じた胃腸の不調、疲労回復に漢方薬が有効である事を書いています。

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様々な病気と漢方

夏ばてと漢方

天気予報で、今年の夏は陽性の夏と表現ざれていました。
かなり暑い夏ということですね。この記事を書いているのは大体1ヶ月前の7月の上旬なんですが、確かに、すでに梅雨は明けたかのように連日33度、34度を記録しています。
こういう暑い季節になると、ついつい失敗してしまうのが冷飲食の過多です。冷たいお茶、ジュースやアイスクリームなどの冷たいお菓子につい手が伸びます。ビールのお好きな方にはたまらない季節でもあります。

 しかし、この冷飲食の過多により、胃腸は消化に必要な体温を失い、機能低下を起こしてしまう結果になります。
胃腸にはとりすぎた水分が停滞し、消化力も落ち、食欲不振や吐き気が生じたり、あるいは余分な水分を下痢という形で排出することになります。こういう具合になりますと、本来の漢方で言うところの脾・胃(ひ・い:現代医学の胃腸と考えます)の働きが十分出来なくなります。
脾胃は口から入ってきた飲食物の消化、そして得られる栄養物を全身に巡らします。脾は肌肉(きにく:筋肉、とくに四肢の筋肉)をつかさどると言います。栄養が十分にめぐってこそ、手足は十分に力が入り動かすことが出来るのです。

夏ばて状態で、胃腸が疲れると、手足がだるく力が入らなくなるのは上のような理由からです。

もちろん、漢方薬に有効な手立てがあります。お悩みの方はご相談くださればお薬を処方させていただきます。でもその前に飲食の節制をいたしましょう。

夏こそ温かいものを食べるようにしてみませんか?
そのときには、多少一緒に冷たいビールを飲んでも大丈夫ですよ。温かい食べ物の中には、香辛料たっぷりなものも含まれます。夏の定番の香辛料といえば、冷奴に「しょうが」や「ねぎ」をたっぷり使います。そういう香りの強い野菜がいいです。
時にはカレーなどのインド系の香辛料も良いですね。あの酷暑のインドで、なぜあのような強烈な辛さを持つカレーが食べられているのか?

それに比べて寒い国のイギリスでは、なぜインドから持ち帰った超辛いカレーを、次第にマイルドな辛さのカレーにしていったのか、その理由を考えてみると面白いかと思います。
当然暑い国と、寒い国との違いがそこに現れています。

逆の働きで、食べることで身体に停滞した湿気と熱を処理してくれる(暑気払い)食べ物は、きゅうり、なすなどの夏野菜、そしてスイカですね。スイカにはお塩をパラパラと振りかけて食べましょう。天からの贈り物です。

それでも手遅れの人(?)は、お気軽にご相談ください。

2004年8月分

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冷房病と夏ばて

 暑い夏の季節がやってまいりました。
最近はクーラーが十分普及しているためか、大変過ごしやすくなりました。

しかし、その割にはビールや氷菓子の販売高は伸びており、そのためなのでしょうか、夏の早いうちから冷房病やすでに夏ばての症状がでている人もいらっしゃいます。
特にビルの中で働いておられるサラリーマンやOLの方々は、終日自分の体調は無視され冷房の中におりますので要注意です。

 夏のように暑い時期は、体表の皮膚が緩み汗腺が開いて汗を出し、体温の調節を激しくおこなっております。その時にクーラーや冷たい物で冷やしますと身体の調子が狂ってしまう事があります。

@風邪のような症状のでるタイプ

A消化器異常(胃腸の弱り)腹痛・下痢・吐き気・食欲不振等

B腰・ひざ等クーラーのあたる部位の痛み・神経痛

C一般に言う夏ばて…食欲不振や全身疲労倦怠感。手足だるく身の置き場なく、のどが渇き水分を欲するが、食べ物はあまり欲しくない。汗がよく出る。

D身体は暑いのに、身体の表面がクーラーで冷やされた結果、汗がでず、内部に熱気がこもっている場合。皮膚病(アトピー性皮膚炎等)の悪化。強いのぼせと意識障害


それぞれのタイプがありますが、適切な漢方薬でやり過ごし、また十分な治療効果が期待できます。
@やAのタイプには桂枝人参湯や霍香正気散(かっこうしょうきさん)などがたいへんよく効きます。
Bの冷えによる神経痛には五積散がよいでしょう。
Cの場合は清暑益気湯をそしてDの場合は漢方の専門薬局でよくご相談ください。

いずれにしても自分勝手に解釈しないで、気軽に相談に来てください。
胃腸に問題もなく、少しバテたぐらいなら、土用の丑の日ではないですが、赤マムシやハブ、スッポン、牛黄などの動物生薬や薬用人参もとても効果的です。
冷たい飲食物をひかえめに、そして十分な睡眠にも心がけて下さい。
                                 

2001年7月

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夏バテの予防と対策

 夏バテ、いわゆる暑さ負けは、本来長夏(夏と秋の間の暑い時期)によく見られる季節病と言えます。湿気の多い地域、虚弱体質(胃腸虚弱)で慢性病のある人がかかりやすいものです。

症状としては、

『頭痛・身体が重い・だるい・口渇・汗がよくでる・食欲不振・軟便(泥状便)や下痢でしかもすっきりしない・尿量減少・舌の苔が厚くジトジトした感じになる。』
などですが、経験したことのある人はわかりますが、普通の疲れより一段と身体が重くつらいものです。

この原因は暑邪(漢方では風・寒・暑・湿・燥・火の六つの自然状況も病因になれば邪と呼びます。)が胃腸の機能を傷つけて、湿気が身体に停滞して湿邪も兼ねたものになっています。

大体はこのタイプで現れますが、最近はクーラーで身体を冷やしすぎたり、冷飲食の過多で夏なのに冷えの症状の風邪のような状態で現れる場合もあります。これらは昔と違い、クーラーや冷蔵庫という文明の利器の発達で起こってきたものと言えます。
暑いからといって、過度にお腹を冷やす行為はつつしまなければなりません。

ともに、適切な漢方薬を服用し、涼しい所で過ごし、過労を避け、休養と睡眠を十分に取り、消化の良いものを食べ、油物は避けます。

胃腸が弱っていない人で、当然下痢や泥状便でない人は、スイカやトマトなどもよい食べ物になります。特にスイカは夏を代表する食べ物で、寒性で甘味が強い。清熱解毒、止渇、利尿降圧の効があり、夏バテ、のどの渇きによい。またスイカの皮は利尿効果も高いので捨てずにお漬け物にしたりして利用すればおいしくいただけます。

 暑邪による病気でも、『高熱・頭痛・激しい口渇・甚だしい発汗あるいは無汗・顔が真っ赤・意識障害・けいれん』などの症状は日射病・熱射病に相当するもので、うつ熱および脱水症状を起こし、危険な状態ですので救急で病院にいかなければなりません。炎天下や特別暑い場所での仕事や遊びで起こったりします。幅広い帽子をかぶり、スポーツ飲料の補給が予防になります。

◎最後に夏バテ予防のレシピを一つ。

新鮮な蓮の葉(なければ乾燥品)、竹葉、薄荷各30g水2リットルで10分煎じ、カスをすて蜂蜜で甘みを調整してお茶がわりに飲むと暑気払いにうってつけです。

                                 

1999年7月 

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