ここでは、慢性疲労症候群、CFSや疲労倦怠に漢方薬が有効であることを実例を挙げて書いています。

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慢性疲労症候群(CFS)と漢方

(2001年のミニコミ誌の記事転載文に少々の手を加えました。)

慢性疲労症候群(略してCFS)という名前、皆さん聞いた事がありますか?
一時マスコミにもよくとりあげられておりましたが、最近はあまり話題に上がっていないようです。
それは別にこの慢性疲労症候群CFSで苦しんでいる人がいなくなったからでは決して無いと思われます。

専門のお医者様の診断基準として、

◎大基準

1. 持続する、あるいは再発性の疲労感、易疲労
2. 他の慢性疾患が除外される


◎小基準(自覚症状、あるいは病歴上の基準で6ヶ月以上持続あるいは再発性)

1. 微熱あるいは悪寒
2. 咽頭痛
3. 頚部、あるいは腋窩の有痛性リンパ節
4. 全身の筋力低下


ほか全11項目の基準と、あとお医者さんからみた身体の状態の基準2項目があります。全部書いていたら紙数に限りがありますので省略いたしますが、詳しくお知りになりたい方でパソコンをお持ちの方は、厚生省が設置した研究班が大阪大学にありますので、そこのホームページにアクセスしてみてください。

★〔慢性疲労症候群 大阪大学〕で検索をかけると、一番上に出て来ます。勝手にリンクしていいものかどうかわかりませんでしたので、ここではアドレスは控えます。
慢性疲労症候群CFSの専門外来が出来ています。(2005年8月現在)



ここでいう慢性疲労は、疲労が短期の休養では回復せず、月に数日は疲労のため、仕事や家事が出来ないで、しばしば横になっていなければならない程度に激しいものだそうです。

原因としては、ウイルス感染説、免疫異常説などがあげられていますが、まだ確たるものはわかっていないようです。
いつも頭痛や微熱があって風邪のような症状が続き、疲労感がひどくて立ち上がれない。サボり病としか見えないようなもので、周囲の人からは理解を得られず、仮病とか?って思われたりする困った病気です。

漢方的には古典の金匱要略と言う本の「虚労病」やその他の項目にもそれに相当する記載があり、応用が利くように思います。
先の大阪大学のホームページ上でも漢方薬に有効例ありとの報告がありましたので、原因不明の難儀な病気ですが、今回は悩まれる患者様へ少しでもお役に立てればと思い書いてみました。

お悩み方は、ご相談ください。

2001年年5月分


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疲労倦怠と漢方の実例


 私の薬局を訪れるお客様に共通する最も多い訴えはおそらく『疲れやすい』という症状だと思います。
『疲れやすい』という症状は、『糖尿病』や『肝臓病』その他の疾患でも訴えのあるものです。
でも病院にかかっていて、『検査しても異常無しで、心配ないよ』と言われ、それでも『やはり、しんどいものはしんどい』と納得できない人も現実にはよくあります。

漢方的には、

@肝鬱気滞…精神的な疲労、ストレス持続で緊張しすぎによる疲れがある。季節的には春に多いが、性格によるものも多い。『疲れ』以外にイライラ・抑うつ感・怒りっぽい・頭痛などを訴える事もある。

A少陽枢機不利…@と似るが、熱くなったり寒くなったり(熱が出たり引いたりする)、口が苦い、食欲不振、動悸、咳、胸脇部が張って苦しい。自律神経失調症の一つのタイプ。
風邪を引いた後スッキリしない等の症状でもある。

B脾胃気虚…胃腸の働きが弱く、飲食物の栄養が全身に供給できないためにおこる疲労。
慢性病・虚弱体質・過労などによる機能の低下。
ひどくなると内臓下垂などの筋肉の緊張が悪いアトニー体質。

C腎気虚・腎陽虚…先天的虚弱・老化・慢性疾患で身体のエネルギーの元が不足している。
疲労倦怠の他に、元気がない、知覚の鈍麻や生殖能力・知能・運動能力などの衰えや冷え症。昼間の小便が少なく、夜間や明け方の頻尿など。

D気血両虚…虚弱体質や老化、慢性疾患、出産、出血後、病後などに気血の消耗。
元気がなく、顔色につやがない、爪がもろい、しびれ、目のかすみ、不眠、月経周期が遅れる。

その他にも体質がありますが、以上にように『疲れやすい』人を体質改善するには、体質に応じて漢方を処方選択する必要があるのは言うまでもありません。
さらに現代の食生活では、ミネラル不足、農作物はみばえは良くなっているが実際の栄養分が昔のものより低いものが多くなっている。
また食べる側の偏食などの問題がないわけではないので、栄養補助食品の併用も必要になる場合が多くなります。

たとえば、食品の中にも古くから使用されていて良い物があります。

それは『赤マムシ』と『スッポン』などですね。共に姿のまま乾燥してあるのが普通です。
当薬局では、漢方薬以外にも『赤マムシ』『ハブ』『コブラ』『スッポン』『スッポン血胆球』などの健康食品もそろえております。

また高貴薬ですが、『牛黄』『鹿茸』などの動物生薬や薬用人参、紅参末などの人参製品も取り揃えております。
これらを単独で、もしくは漢方薬と併用するなどして良い結果が出ております。

漢方の実例は次回に。

1999年年6月分


上記に引き続き

疲労倦怠と漢方の実例その2

前回の分類は
@肝鬱気滞 A少陽枢機不利 B脾胃虚 C腎虚 D気血両虚といたしましたが、さらに

E湿滞…様々な原因で体内に湿邪(余分な水分)が停滞して、気の流れを妨げます。体内に水分が停滞するので、余分な重量をかかえるため身体が重だるく、また水分が血管を圧迫したり神経の機能が悪くなったりします。
体質的には、脾胃(胃腸)の機能低下状態もあると考えられます。

または別タイプでは飲酒や脂っこい食物の嗜好により湿邪が加熱して『湿熱』状態となり肝臓病、黄疸などで現れたりします。肝炎ウイルス、自律神経失調、飲酒癖、美食家、大食家などに多い。
というような追加をしておきたいと思います。
日本の様に湿度の高い国には比較的みられます。
また冷飲食、飲酒過多、飽食というぜいたく病や飲食の不摂生というべきものも多いです。


実例@

大阪府内に住む70代の男性。元々喘息気味で肺の機能が弱いので、当方で漢方のお薬を出していた人ですが、最近口が苦く感じて、しかも食欲が無いという。腹も張る感じがして元気が出ない。
話を聞いてみると奥さんの体調がすぐれず、その事がとても気になっている様子。
漢方的な分類では『少陽枢機不利』にあたります。このタイプは口が苦かったり、イライラしたり、食欲不振、急に疲れたり、かと思うとすぐ回復したりと、自律神経失調症のようなものです。口の苦味という特徴があったので、すぐに気がつきました。処方した漢方薬ですぐに回復しましたが、悩みの種が消えたわけではないので、漢方薬を止めるとまた調子が悪くなるので、喘息の薬と併用して服用しています。

実例A

やはり70代の男性。癌の手術後、体力の低下と貧血で疲れやすい。手術後でもあり、このタイプは『気血両虚』に相当します。胃腸を丈夫にして、食物の栄養を吸収しやすくする漢方薬と健康食品を併用して、貧血も改善して徐々に元気になりもう一年になりました。『疲れやすい』という簡単とも思える症状にも、原因には色々とあります。
長く『疲れやすい』状態でお悩みの方は遠慮なくご相談下さい。

1999年年7月分

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