アトピー性皮膚炎(幼児期、成人性アトピー)に対して漢方薬治療の有効性を実例をあげて説明します
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アトピー性皮膚炎が話題になってもう何年になるでしょうか? 当薬局においてもかなりの数の患者さんが相談にみえられていますが、実際にこの病気で悩まれている方は想像できないくらいでしょう。 漢方の研究家たちの意見、また私の考えでは幼小児のアトピー性皮膚炎は『漢方薬』やその他の治療を実行された場合、多くは改善していきます。 ただ気をつけておかないと、小さな子供達は痒くてたまらずかきむしり、皮膚からは血が出て、またジクジクと分泌物が出てきた上に、それが乾燥してかさぶた状になったりしてますので、なるべくかきむしらないように見ておかなければなりません。皮膚病の治療の大原則は『かきむしらない』事です。 子供ですから自分で治療しようとしてもその方法が判らないのは当たり前です。 そこでご両親の理解と協力が大変必要になります。『漢方薬』は味もにおいも他の薬に比べてかなりありますが、そこは親の愛情でしっかりと服用するよう指導していかなければなりません。 『漢方薬』だけでなく、やや高価ですが良いお茶もあります。 そのほか浴剤(お風呂にいれる)、アトピー用の石けんやローションなどもありそれぞれ併用するとより効果的です。 外用薬として使用される『ステロイド剤』ですが、一般にはとても恐れられているようです。 でもこれは使用方法に問題があった場合に副作用が取り上げられるものだと思います。 大量に長期間『ステロイド剤』を使用すると確かに副作用がでますし、またその状態において、急に使用を中止すると『リバウンド現象』と言って、もとの症状(アトピー性皮膚炎)が急激に悪化して出てくることがあります。 この『リバウンド現象』とステロイドの副作用で出てくる『ステロイド皮膚炎』とは別物であり、また『ステロイド中止後の離脱皮膚炎』というのもあり複雑にからみあってくるので、よけいに治療がややこしくなってくるわけです。 特に20代〜30代の普通なら治るころになってもアトピー性皮膚炎が続いていて、ステロイド剤をこれまで使われてきた人は治療も一筋縄にはいきません。 このような難しい皮膚炎ですが、『日常生活を快適に送れるようになった人はたくさんおられます』ので、お悩みの方は是非ご相談下さい。 1997年11月分 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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アトピー性皮膚炎は、現在漢方薬局で一番相談の多い病気の一つと思われます。現代社会が生んだ疾患の一つと言っていいでしょう。ますます難治化しつつあります。しかも皮膚病の状態は複雑でしかも治療中にも変化が激しく、繰り返し再発する頑固な疾患です。 体質的原因としては、『ぜんそく、花粉症、遺伝因子』などで、アトピー性皮膚炎が良くなったと思ったら、きついアレルギー性鼻炎やぜんそくになったりして、結局症状の出る場所が変わっただけという『アレルギーマーチ』という状態もあります。 そしてストレス、飲食物の影響(甘い物、肉食の摂りすぎ、おなかを冷やす冷飲食過多)など様々な複合原因がからみあっております。生活環境の変化、大気汚染・・・数え上げればキリがありません。 最近、本や新聞などの広告でこれでアトピーも大丈夫、絶対治るといったものが目立ちます。中には確かに有効なものあるのは分かるのですが、原因が複合的なものなので、やはり併用物の一つと考えるべきだと思います。 なかにはステロイド剤の恐怖心を逆手にとったような商売も見かけることもありどうかと思います。 ステロイド剤はステロイド剤は劇症のアトピー性皮膚炎に最も有効な手ですので、必要な場合は使用してもいいと思います。ただ漫然と長期にステロイド剤を使っているのは、やはり体質の改善には向きませんし、副作用も気になります。 ステロイド剤を長期に使用していた人は漢方薬を開始して、ステロイド剤を中止していきますと、場合によってはリバウンド現象が出てくる人がいます。外用で使用していた部分が顕著に発赤、腫上がり、びらん、じくじくの症状が見られ、そのピークを過ぎるとごわごわ乾燥し、かさぶたやひび割れ、フケ状のものが落ちてきます。それがしばらく続いた後、症状の増悪・好転を繰り返しつつ落ち着いてきます。 漢方的には、とにかく個人個人の体質の把握(弁証)が最も重要です。 漢方の特徴としては @体質に合った漢方薬の服用で体質の改善 A再発しにくい B副作用がでにくい等 があげられます。 ただ非常に症状の変化の激しい皮膚炎なので、一時的に症状が悪化する場合があります。 生薬(薬草)そのものにアレルギーがあったり、邪を発散させたり、血を温める生薬で痒みが強く出るなどです。 現在当薬局では、漢方薬、漢方の塗り薬以外に、腸内細菌、皮膚常在細菌なども考慮したスキンケアに力を入れています。根気よく頑張れる方は是非ご相談ください。体質の種類と実例は次回にまわします。 1999年4月分 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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前回の続きのアトピー性皮膚炎についてですが、お問い合わせの中に、副腎皮質ステロイド軟膏を急に中止してステロイド離脱皮膚炎やリバウンド現象が出て困っている人がおられました。ステロイド剤は急に中止しないように気をつけてください。 さて漢方的に体質を大きく分けると(中国医学的な表現になりますが・・・) ●湿熱証…これは熱を除いて、湿をとる治療が中心 ●血熱証…熱を除いて血を冷やして、また湿を除く ●湿阻証…脾(胃腸と思ってよい)を治療し、気や湿の流れをよくして皮膚肌肉の改善を図る ●血燥証…血を養い、血が虚した結果生じた熱や風を除く それらに、精神的ストレス(気滞に属する)が加わって症状が複雑となり、また変化が激しい皮膚炎になっています。 実例・・・ 20代女性、幼少時からのアトピー性皮膚炎。一時収まっていたが、3年前より悪化してきた。手足のひじ・ひざ裏、目の周り、首の付け根に乾燥性の発赤があり、かきむしると血がにじんでかさぶたになる。食べ過ぎたときに悪化する傾向があることに気づく。皮膚病のほかに、生理痛が激しくまた生理不順。よく胃痛が起こり、2〜3日に1回の便秘。立ちくらみなどの症状がある。上の分類上では中心に湿阻証があり、血虚とお血がある。 脾(胃腸)を調整する漢方薬を主にして養い、お血を処理する漢方薬を少量足した。 便秘、胃痛は約1ヶ月で改善。生理痛、生理不順は徐々に改善していきました。同時にアトピーはやや改善しているが、時に悪化する。そこでさらに3種類目として陰虚の熱を取る漢方薬を追加。これでほぼアトピーは落ち着いてきた。約1年で90%改善状態。結婚退社してしばらくしてほぼ問題なくなり廃薬(お薬をやめること)となった。 この女性の場合、仕事上のストレスが影にあったものと思われました。彼女は中程度のアトピー性皮膚炎でありながら、ステロイド剤はあまり使用していなかったので、離脱症もなく、逆に悪化時には積極的に使用して好成績を得ました。 治療途中で判明したことですが、数年前より発症した花粉症も今年は起こらなかったと聞いており、非常によい結果となった例でした。花粉症が一緒に治ることは、アトピーの治療にかかわらず、他の病気の治療の結果、一緒に体質改善して治ってしまうことがあります。花粉症は決して治らない病気ではありません。 いつもこんな調子でよい結果ばかりだということないのですが・・・ 実際は、4年5年と継続していらっしゃる方が多いのも事実です。時に悪化させてしまい、ご迷惑をお掛けすることも正直あります。 アトピー性皮膚炎の注意点 ストレスは注意。 根気は大切、ですが気持ちは穏やかにそしてのんびりと開き直るくらいがよい結果につながります。 1999年5月 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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